君だけが永遠

語彙力が欲しいオタクの備忘録

宇宙一好きだった人に会えなくなった

宇宙で一番大好きで、宇宙で一番かわいいと思っていたアイドルが突然引退することを発表した。

 

ももいろクローバーZの緑色担当だった有安杏果さん。

 

引退発表から約2ヶ月、気持ちの整理をつける為に私が有安さんに出会ってからさようならをするまでの私の記憶を書き残したいと思います。私と有安さんの思い出をただ書き連ねているだけです。語彙力のないくせに自己顕示欲と承認欲求の強いオタクの備忘録です。

いつかこの事を笑って話せるようになるのかなあ。

 

 

私が彼女、ひいてはももクロに出会ったのは高校3年生の春。当時地域では有名な進学校に通っていた私であったが、進学するつもりなど毛頭なかった。勉強とか好きじゃなかったしね。

高校を卒業したら就職をして、自分で稼いだお金で当時大好きだったミュージカルをたくさん見に行くのだと決めていた。

そんなある日、偶然ネットの海で見つけた動画。それこそがももいろクローバーZのライブ映像だったのである。

歌はあまり上手ではなかった。

なのに口パクでも被せでもなく生歌。しかもダンスの振り付けも激しい。

メンバーの表情はひたすらに明るく、「楽しい!」という気持ちがこちらにも伝播するようだった。

 

そこからはもうももクロに夢中だった。

偶然にもその年の6月、全国を回るホールツアーで地元に来ることがわかった。幸運にもチケットはまだ発売されていない。これは行くしかない!と思い、同じぐらいの時期にももクロにハマった幼馴染みを誘い親を説得しライブに行った。

 

その頃から私は有安さん推しだった。

初めてのアイドルのライブ。初めて買うツアーTシャツ。初めて持つサイリウム

全て有安さんがいなければ経験することもなく死んでいたと思う。

 

有安さんを推し始めたきっかけは、これまたネットで見た動画。

バラエティ番組ではお馴染みの、箱の中身を触って当てるゲーム。

有安さんはかなりのビビりで、そんな彼女にこのゲームをやらせたら面白いに決まっている。

彼女が触ることになったのはうどん。

もう、箱の中に手を入れる前からビビっている。小動物じみた彼女の挙動にキュンとした。恋かもしれないと思った。

うどんが指先に触れただけなのに大騒ぎ。半泣き。かわいい。

さて中身はなんですか、と聞かれたときの彼女の回答は「……くじら?」

はいかわいいーーーーーー!!!!!くじらか!!!!!!そっか!!!!!!!

鯨なんて入るわけのない大きさの箱だけど、あなたが言うなら鯨だって入れてみせる。

かわいすぎるので世界遺産か何かに登録して欲しい。鳩にビビる姿も合わせて登録して欲しい。

 

そんな出会いだったが、ライブになると印象は一変した。

映像で見た通りの激しいダンス。でも常に笑顔。

有安さんのソロ曲では客席降りがあり、偶然にも一階通路席を確保できた私はその時間近で彼女の姿を見ることができた。

白いワンピースを着てバラード曲を歌う有安さん。

目の前を彼女が通ったとき、天使か?妖精か?と思った。

そしてとても小さかった。私とは10センチほど身長が違うのだ。

 

 

それからずっと、私は緑のTシャツを着て緑のパーカーを羽織り、緑のリュックを背負って中には緑のタオルと緑のペンライトを詰めてライブに通った。

気がついたら身の回りの小物や私服も緑色が多くなっていった。

 

ももクロに出会う前の私はいわゆる腐女子というやつで、某バスケ漫画の男子高校生二人のカップリングに夢中だった。

 アイドルを好きになるなんて、幼い頃にハマっていたモー娘。以来だった。

 

そんな私がももクロにのめり込んだのはひとえに、彼女たちの"全力"に心を動かされたからだと思う。

いつも笑顔、いつも全力、いつも元気。

その年の夏、初めての西武ドームでのコンサートのライブビューイングに参加した。

私の推しの有安さんは開始一曲目『ワニとシャンプー』の出だしで既に泣いていた。それを見た私も泣いた。

じぇったいじぇつみょうサマーナイト……

彼女が「絶対絶命」をぜったいぜつみょうと読むのすら可愛くて可愛くて仕方がなかった。オタクとはそういうものである。

グループとしては最大の会場となる西武ドームでのライブ。客席がファンで一杯になっている光景を見て泣いてしまったとか。そんな彼女を見て他のメンバーはいっそ安心したらしい。この子達が愛しい……愛しすぎる……。誰かが泣いてるとなんか泣けなくなっちゃうとき、ありますよね。

 

そのライブの後ファンクラブが発足し、同年秋には武道館での『男祭り』『女祭り』が開催された。またゆみ先生演出のライブ見たかったなあ。

 

彼女たちがグループ発足当初代々木公園で路上ライブをしていた事はご存知だろうか?私もその時代にももクロを知っていた訳ではないが、ファンなら誰しもが聞いたことがあるだろう。

代々木公園のすぐ傍にあるのがNHKホール。紅白歌合戦の会場である。

デビュー当時から憧れ続けた紅白歌合戦。出場が叶ったのは2012年の冬のことだった。

スポーツ誌で紅白内定だなんだと騒がれるたびに一喜一憂していた高校3年生の冬。

帰宅途中のバスの中で紅白出場のニュースを見た。嬉しくて仕方がなかった。まるで私の大きな夢が叶ったような、そんな気持ちだった。バスの中で突然泣き出した私を、友人が慰めてくれた。ごめん、別に悲しいわけではないんだ……とは言い出せなかった。

家に帰ってテレビをつけた。夕方のニュース番組に、紅白歌合戦の会見場に、彼女たちが誇らしげな顔で写っている!

私は涙腺の弱いオタクだから、このときも泣いた。悲しいわけではない。嬉しすぎて泣いた。これを書いている今も思い出しながら泣いている。

 

紅白歌合戦本番では、その年にリリースした「サラバ、愛しき悲しみたちよ」と代表曲「行くぜっ!怪盗少女」のメドレーを披露した。登場の時点で泣き出す私を怪訝な目で見る親戚。ももクロの出番が終わるまで泣きっぱなしだった。

 

年が明けると、有安さんは喉の治療のため声を出さずに活動することになった。彼女のハスキー気味な声が好きだったので残念ではあったけれど、元気で生きていてくれるならなんでもいい……とすら思っていた。生きてるだけでかわいい、という気持ちを初めて知った。

彼女が声を出せない間は他のメンバーが彼女の代わりに自己紹介をした。あーりんやすはいいぞ。

また、トークライブやテレビ出演の時には有安さんはスケッチブックを用意し、そこで感情豊かな言葉と、独創的なイラストで自分の意思を伝えてくれた。パンダとかかわいいけどちょっと怖くないですか?

 

4月にはアルバムがリリースされた。トゲトゲのドリアンみたいなマスクのジャケットのやつ。

今だから言うけどいや当時も言ってたけどね、曲はいいけどジャケットと衣装がアイドルのそれではないよね。そこを狙ったのかもしれないけど。

春には再び西武ドームでライブが開催された。バックバンドがついて演奏に合わせて歌う、生歌でやってきた彼女たちだからこそできたライブ。今でこそももクロの現場では珍しくもなんともないが、当時はすげー!!と思った。なんていうか、ももクロここまでできるんだ!!!かっこいい!!!!みたいな思い。

五次元の曲ならみんな何がすき?私は仮想ディストピア

 

それから夏の日産スタジアム、毎年恒例クリスマスライブは西武ドーム。もう一度言う。クリスマスのライブ、西武ドーム

アホか?????西武ドームはほぼ外だぞ??????

でも安心して欲しい。何年か後にはスキー場でライブするから。

 

忘れもしないももクリ2013。仕事のためやむを得ずライブビューイングに参加。

いや~いいライブだったなあ、と思いながら、でんぐり返しをする有安さんの姿を微笑ましく見ていた。あのシスター衣装、顔のまんまるさが目立ってハムスターみたいでハチャメチャにかわいい……いっぱいちゅき……ハァ……。

堺雅人さん主演のドラマが流行していた年だから、それに乗じて「でんぐり返しだ!」って言ってころんって回ったのよね。かわいさが止まることを知らない。愛してる。

 

そして突然の南国ピーナッツこと松崎しげるさん。国家より聞いた愛のメモリー

ももクロをあまり詳しくご存知でない方はなんで?と思うかもしれませんが、ももクロのライブでサプライズを発表するのは松崎しげるさんなんです。2012年春の横浜アリーナ2daysで全国ホールツアー、ファイナル西武ドーム公演を伝えた時から。

 

今これを書きながら思い出してまた泣きそうなんですが、そこで発表されたのが国立競技場2days公演。

紅白の次の大きな目標として掲げていた国立競技場でのライブ。その時点で建て替えの為の取り壊しが決まっていたので、あくまでも叶わない夢として見ていた会場。移動中には嵐さんのライブ映像を見て、こんなライブにしたいね、などと話していたももクロ。いつか国立競技場でライブすることを夢見て、立川のデパートの屋上でライブをしたときに『国立川』と名付けて手作りの花道やマネージャーの押すトロッコで会場を回ったももクロ(このエピソードは『国立川 ももクロ』とかでググってください)。

いやーーーーーーもう泣いた。化粧ほぼ落ちた。そんぐらい泣いた。

でもメンバーもみんな泣いてた。その頃にはあまり泣かなくなっていたしおりんも泣いてた。

開催の日程は3月15日と16日。

15日は有安さんのお誕生日。

それに気づいたあーりんが隣にいた有安さんを指差す。『杏果のお誕生日じゃん!』とでも言わんばかりに。

 

その時、現地(西武ドーム)にいたファンと松崎さんからのサプライズとして発表しようと、ステージ横のモニターに歌詞が表示されていた。

国立競技場の文字が見えた瞬間のファンの歓声。メンバーの歓声と泣き崩れる姿。一生忘れられない光景が5つあるが、そのうちのひとつ。

その時の私はまだファンクラブには入会していなかった。でもチケットをとれるような不思議な予感がしていた。

まあ実際に一般抽選で取れたんですけどね。

 

 

 

引くほど長くなってしまったので、一度切ります。